保育士の就職・転職
保育士が初出勤での自己紹介を成功させる3つの挨拶ポイント
- お役立ち
保育士にとって自己紹介は自分の第一印象を決定づけさせる重要な行事です。プライベートであれば別ですが、仕事上での自己紹介に関してはしっかり準備を整えて望まなくてはなりません。ただ実際多くの保育士の人が「どんな自己紹介をすればいいの?」「子どもと仕事仲間の場合で紹介文は分けた方が良いの?」といった疑問や不安を持っているはず。
そこで今回は初出勤の日に自己紹介を成功させるポイントを紹介します。
自己紹介の方法に迷っている人はぜひ参考にしてください。
保育士の自己紹介を成功させるポイント
前提として、保育士は自己紹介のパターンを「子ども用」「保護者用」「職場・同僚保育士用」の3つ考えておく必要があります。どのパターンも成功させるポイントが異なるので、以下を参考にしっかりとポイントを押えておきましょう。
子ども用の自己紹介、成功へのポイント
子どもたちに自己紹介をするうえで大切なのは、「自分に興味を持ってもらうこと」です。
いきなり堅苦しい挨拶をするのではなく、手遊びや紙芝居、エプロンシアターなどを活用して子ども達の目と意識をこちらに向かせましょう。自己紹介の挨拶はそれからでも遅くはありません。
また挨拶の言葉は難しくしないこともポイントです。子どもたちにも“分かりやすい”言葉選びをしてあげないと、彼らの興味は自分から他のものへと簡単にうつってしまうでしょう。
さらに、話すスピードは、ゆっくりすぎるくらいがちょうど良いはずです。保育園に通う子どもたちはまだ人からの言葉を聞き取り脳で変換するスピードが大人よりも遅いと考えられているので「これではゆっくり過ぎるかも…」と思うくらいの早さが子どもたちにとってはちょうど良いのです。
そしてなにより、笑顔は忘れないようにしましょう。保育士を目指した人は必ず、保育園実習などで子どもたちと触れ合ってきたと思います。ただ実際に保育士として働き始める初日は、たとえ心の中で緊張していないと思っても緊張はしてしまうもの。そのため、表情も強張ってしまいがちです。
表情が硬いと、子どもたちは「怖い先生」「近づきにくい先生」という印象を持ってしまう可能性があります。緊張をほぐすためにも、子どもの目を見て笑顔になることを心がけて挨拶をしましょう。
子どもたちの印象に残りやすい自己紹介パターン
では実際、どのような自己紹介が子ども達の印象に残りやすいのでしょうか。ポイントは、子ども達の目線に合わせた形式を取ることです。また、職場によっては複数の保育士さんが入職する場合もあります。その場合、気をつけなければいけないのが、自己紹介のパターン被りです。以下を参考に、様々なバリエーションを駆使した自己紹介を考えてみましょう。
自己紹介ブックでの工夫
保育園実習でも実際に経験した人もいるのではないでしょうか。自己紹介ブックは、保育士の自己紹介に使われる定番の方法で、子ども達に、言葉ではなくイラストで見せることのできるアイディアのバリエーションが豊富なアイテムです。
例えば、自分の名前のなかに花にまつわる字がある人は、それと関連付けて花のイラストを描いて紹介できます。また、本の進め方も工夫できます。例えば、ページの開きを飛び出す絵本風に作ったり、穴をあけておいて次のページと重なると異なる絵になったりと、子ども達が見た目でも楽しめるように作ることができます。
子ども達に限らず人間は、楽しんだ分だけその人に対して印象を強く持つ傾向にあります。そのため、子ども達が楽しめばそれだけあなたの名前も記憶に残りやすくなるのです。絵が得意な人や、何かを工作するのが得意な人は、完全オリジナルの自己紹介ブックを作ってみると良いでしょう。
楽器の演奏や歌を披露
ピアノや楽器を演奏できる人は、音楽を活用して自己紹介してみると良いでしょう。特に言葉がまだ分からない子ども達にとって「音」というのは親しみやすいものの1つです。認識としては「音を出すことができる先生」といった感じになりますが、音を聞くのが好きな子ども達にとってはヒーローのような印象になるはずです。自己紹介の後は、必ずと言っていいほど楽器の演奏や歌を要求されるかもしれませんが、子どもたちが積極的に話しかけてくれるきっかけになるので、成功といっても過言ではないでしょう。
子どもたちの年代に合わせたキャラクター名札をつくってみる
自己紹介ブックと同様、オリジナル名札は自己紹介時に活用するアイテムの王道です。よく用いられるのが年代に合わせたキャラクターを描いた名札。いま、この世代の子ども達では何が流行りなのかを知ることもできますし、今後の子ども達との距離のつめ方も少しだけ楽になるはずです。定番なキャラクターは、ポケモンのピカチュウやアンパンマンでしょう。ただすでにそのキャラクターの名札を付けて仕事をしている保育士がいるかもしれません。その際は別のキャラクターを選ぶようにしましょう。
また、キャラクターに目を向ける事と同時に、名前もしっかりアピールできるように書いておきましょう。失敗例としてなりがちなのが、キャラクターが目立ってしまい名前を覚えてもらえないことです。キャラクターと自分の名前をしっかり判別できるように色を分けたり、名前も強調しながら作ることがコツといえるでしょう。
得意な遊びを伝える
子ども達に自分が得意な遊びや、好きな遊びを教えてあげると、その遊びが好きな子ども達が寄ってきてくれます。例えば「本を読むのが好き」「おにごっこが好き」「折り紙で○○を折るのが上手」「クイズが得意」「じゃんけんが強い」などが定番です。中でもクイズやじゃんけんは自己紹介の場ですぐにできて、時間もさほど取られない遊びなので、取り入れてみても良いかもしれません。折り紙の場合は、あらかじめ作ってきた作品を紹介しても良いですし、本は自分の好きなものを紹介するのでも構いません。もし複数の保育士で自己紹介をする場合は、得意分野や好きな遊びが偏らないように分けて紹介すると良いでしょう。
保護者用の自己紹介、成功へのポイント
保育士が緊張するシーンとしてよく挙げられるのが、保護者へのあいさつです。
なぜなら、昨今は「モンスターペアレント」による保護者~保育園(保育士)間のトラブルが多いためでしょう。全ての親が過剰に反応するモンスターペアレントではありませんが、少なからず保護者としては「この先生に子どもを預けて大丈夫なのか」という目で最初は見るはずです。その目は保育士にも伝わりやすいため、結果として保育士の緊張につながるのではと考えられます。
ただ、そこで怖気づいてはいけません。大切なのは「保護者を安心させてあげること」と「一緒に子育てをしていきましょうという声をかけること」です。これらを踏まえた挨拶ができれば、保護者も「この先生なら大丈夫かもしれない」と思ってくれるでしょう。
また保護者は、保育園の方針にも注目し選んでいます。したがって自己紹介の時に「園の保育方針」を元にした話をするのも忘れないようにしましょう。自分はこの保育園でどんな保育を目標にしていきたいのか、子ども達にどんな経験をさせてあげたいのかを話せれば、保護者からの印象はとても良くなるはずです。
以下は、上述した成功ポイントを踏まえた自己紹介文の一例です。もしポイント踏まえることができているか不安な人はこちらをベースに挨拶文を作成してみてはいかがでしょうか。
▼保護者向け:挨拶文例▼
「今年度、○○組の担任としてお世話をさせていただきます、□□(自分の名前)です。私の保育士としての目標は、子どもたちの日々の成長に携わる身として、保護者の皆様とのコミュニケーションを大事にする保育です。そのためにも子どもたちの成長を一番楽しみにされている保護者の皆様に、信頼していただける関係作りにも精を出していきたいと思っております。もしお子様のことで悩みや気になることがございましたら、些細なことでも構いません。遠慮せずにご相談ください。よろしくお願い申し上げます。」
職場用の自己紹介、成功へのポイント
保護者の場合と同様、緊張するシーンとして挙げられるのは職場の人たちへの自己紹介です。意外と保育の現場は“上下関係”にとても厳しい世界と言われており、歳に関係なく先輩は先輩、後輩は後輩らしく振る舞うことが多いようです。
そのため、保育士として長いキャリアを積むためには「いかに上手く人間関係を築いていくか」が重要になります。自己紹介はその第一歩。先輩や上司に失礼のないように、しっかりと自己紹介をしましょう。
自己紹介の際は、無愛想に思われない程度の表情を作ることが大切です。口角が下がったり眉間にしわが寄っていると硬い印象を持たれるだけではなく「不機嫌なの?」と思われてしまいかねません。また、話すときはできる限り周りの人の目をしっかりと見るようにしてください。下を向いて話したり、ちらちらとあらゆる方向を向いてしまうのは、落ち着きのない印象を与えてしまいます。
職場向けの自己紹介の挨拶・例文
以下は職場の自己紹介で使える例文です。保護者用のときと同様に、あいさつ文が浮かばない人やポイントを踏まえられているか不安な人はこちらを参考にしてみてください。
▼職場向け:挨拶文例▼
「おはようございます。本日から○○園(保育園の名前)で皆様と一緒に働かせていただきます、□□△△(フルネーム)と申します。私の保育士としての目標は○○(目標を述べる)です。そのためにも、この保育園で少しでも多くのことを学び、目標に近づいていきたいと考えています。未熟な点ばかりではございますが、少しでも早く一人前の保育士になれるよう、頑張って成長していきたいと思っております。ご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします。」
保育士が自己紹介をする重要性
そもそも自己紹介には「アピール」「印象付け」といった重要な効果があり、特に初対面の相手に対しては、自己紹介だけで今後の関係性の基盤が作られてしまうほど重要なものになります。
今回のテーマである保育士さんに状況を置き換えると、関係性を築く相手は「子ども達」「保護者」「園長」「先輩や同僚」のように多岐に分かれます。立場も関係性も異なる人たちに自分を知ってもらうのですから、自己紹介のパターンが異なるのは至極当然でしょう。良い関係性を作るためにも、自己紹介は保育士として最初に向かえる大きなイベントです。しっかり準備をしましょう!
保育士の自己紹介で注意すべきこと
自己紹介で注意するべきことは、保育士に限らず全職種共通です。
先ほど少し触れた点もありますが、自己紹介は今後の関係性の基盤を作る大事なイベントです。より良い関係を作るための基盤を作るためにも、以下のポイントをしっかり踏まえて練習しましょう。
明るい笑顔
上述したように、自己紹介で最も大切なのは笑顔です。人の第一印象は必ず顔から入ります。そして数秒の間に相手も自分も「この人はこういう人だ」と印象でづけてしまうと言われているのです。中でも子ども達はそういった部分に敏感で、優しい笑顔を最初に見せておくと「この先生、やさしそう」という印象を持ちますが、笑顔を見せていないと近寄りがたさを感じてしまいます。当日までに、鏡を見ながら事前にトレーニングしておきましょう。
はきはきと、簡潔に話す
保護者や職場の方々に好印象を持ってもらうためにも言葉の端々ははきはきと話すようにしましょう。口の中でもごもごさせたような話し方は自信の無さや、頼りなさを印象付けてしまうのでNGです。また「○○で~、だと思います~」と語尾を伸ばして話すことも、あまり印象の良いものではありません。保護者や職場の人間からしてみれば、子ども染みた話し方に聞こえてしまいます。簡潔に語尾を言い切って自己紹介することを意識してみてください。
身だしなみに注意
上述したように、第一印象はほぼ必ず外見から入ります。そのため、顔以外の見た目も印象にかなり響きます。自己紹介前には、しっかりと身だしなみを整えましょう。
特に以下の項目は、良くない印象を持たれやすい部分なので、注意してください。
・寝ぐせが治っていない
・髪がボサボサ
・爪が伸びすぎている
・洋服にしわや汚れあり
・肩や足など露出度が高い服を着ている
・メイクが濃い
・猫背で首が前にでている
【まとめ】自己紹介のポイントを理解して、好印象を持ってもらおう!
社会人として新しい環境に挑むとき、自己紹介は必ず起こるイベントです。
この記事を参考に、少しでも好印象を持たれるような自己紹介を考えてみましょう!
【参考URL】
https://hoiku-support.info/jikoshoukai-7686
https://hoiku-job.net/column/hoikushi_carrier/4789#section-1
2025/04/03